ーー人命無視の政権
ロシアが歴史的なウクライナ侵略戦争を始めてから約2年が経過します。
戦前さながらの侵略戦争に当時の人々は戦慄し、ロシアの国営メディアおよび国内外の日本やアメリカ、韓国などの西側諸国にもその波及が及びました。
ウクライナはロシアにとって隣国にあたる場所。
ウクライナのNATOへの加盟をきっかけにロシア大統領のプーチンを軍事的な強硬手段に駆り立て、何百万にも及ぶ軍勢を投入、空爆や対人地雷など民間人の犠牲も意に介さない前代未聞の植民地化を行い、現在でも戦いは収束する気配を見せません。
人命や尊厳といった、この地球に生を受けた人にとって基本的な人権の核となるものが、いとも簡単に踏み躙られている。
それは国際社会からプーチンへの強い糾弾とともに、命の尊さ重さを今一度認識させる必要があります。
ロシアがウクライナ侵攻を始めたきっかけは、NATOという自分たちにとって脅威となる対ロシア組織への加盟をウクライナがすんなり受け入れたこと、隣国に値するウクライナはロシアにとっての支配下である、という帝国主義的な刷り込みを行いたかったこと、その2つの要素が主に重なって、今回の武力行使に踏み切ったのでしょう。
つまりこういう見方が一般的には多くを占めているんですね。
「ウクライナがNATOへの加盟を拒否すればロシアが怒ることはなかった。」と。
しかしそれでは根本的な解決にはつながりませんし、ロシアは一応日本と同じ民主主義国家という体裁をとっていますが、ほとんどは大統領の一強独裁、国民の根本的な発言権や拒否権などはほぼ形骸化しているといっても過言ではありません。
日本と違い、民主主義という表向きの体裁を装いつつ、ほぼ独裁体制に移行しつつある状況だったのです。
それに対抗する形で結成されたのが「NATO」という国際組織。
つまりNATO結成はロシアの腐敗政治が招いたものなんですね。
ーNATO結成の経緯から見えてくるロシアの闇
言論を封じ込め、独裁者による権限でほぼ政策決定や実務的な政治能力を発揮する、それが今日に至るまでのロシアだったのです。
ウクライナはそれに反発する形でNATOへの加盟を批准し、反ロシア思想を掲げ、対話による穏健な解決法をとろうと…
そう強い平和意識に基づいてNATOへの加盟という形でロシアに対する異議申し立てを行ったんですね。
何を間違えたか、とかそういう問題ではありません。
ウクライナ戦争は単なる内戦という枠に終わらず、全世界の経済や生活にまで影響を及ぼしているのです。
NATOへの非加盟行為をすれば、いつまで経ってもロシアの腐敗政治による独断的な決定や指導者による専横行為が止まることはない。
平和解決というには少し強引な手段にはなりますが、NATOへの加盟という形でロシアと穏便に解決を図りたかった、という思いがあったのでしょう。
どうすればよかったのか。
私の場合、西側諸国(日本やアメリカ、韓国等)が戦後のロシア(ソ連崩壊後)に対する十分な経済的支援を怠ったことが、ロシア独裁化に一層拍車をかけてしまったのではないかと考えているんです。
難しい問題ですが、やはり支援が後手後手に回る対応でしたから、ロシア国内の治安や情勢が乱れるのも無理はありません。
今後は西側諸国もロシアの経済振興や福祉的支援に積極的な意欲を見せ、ロシアが抱える諸問題に国際的な介入を挟むことも必要になるでしょう。
私はその姿勢を全面的に支持いたします。